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2019.09.24

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   深い魂からのインナーパワー 塩田千春展を見て


本日は仕事帰りに何かに導かれたかのように森美術館の塩田千春さんの展覧会へ行って参りました。

塩田さんは、ベルリンを拠点に国際的に活動されているアーティストでいらっしゃるそうで、展覧会の題目「魂がふるえる」というキャッチと、そのバックに生える赤い世界感のチラシやポスターが大変印象的でいつか行きたいと思っていたエキシビジョンでした。

*ここからは内容になりますので、ネタバレ注意。

中に入ると圧倒的な赤い糸で作られた世界が広がっていてただただ目を見張りました。その糸たちは、数隻のボートから無数に伸びていて、天井にはすべてその赤い糸がびっしりと張り巡らされていました。後々インタビューにてこの船は手の模倣でヴェネツィアで得た発想だとのこと。手から始まる何か、を表現している、ヴェネツィアではその手の代わりに船だと着想を得たそうです。

彼女は、糸を主に使用する作品が代表作のようで、展覧会にはとくに赤と黒を基調とした作品が数々展示されていました。この 糸 ですが、塩田さんの作品で糸は様々なものへの繋がりを表されているようで、それは家族だったり、故郷だったり、または、もっとインナーサイドにある人との繋がり、自分の感情、魂とのつながり、死後の世界との繋がり..とのことでした。

作品を見ていて一貫して思ったのは、彼女がとても深いものを求める人なんだなということ、見ているものに人間の皮膚の下に眠る深い深い部分にぐいぐい問いかけ、何か感情を呼び覚ますパワーのある作品を生み出す人だということでした。 小手先のものではなく、何か人間の深いところを掘り起こし目を背けず見てみようよ、魂の声を聞こうよ、と問いかけられた感じがして展覧会の最後にはなんだかジーンときている自分がいました。また芸術に携わる者の苦労も感じ取れて、共感できるところもあり、どれもこれも大変興味を持って鑑賞致しました。

たしかに今現代において、人の深い部分に触れるのは本当に難しくなっているかもしれません。SNSなど浅く広く繋がる世界に身を置いている現代っ子の私たちには昔のように戦争や貧困など命の危機に晒されるような経験もなく、魂にゆさぶりをかけるものになかなか出会えていません。これはクリエイターやアーティストなど物を表現する分野において、ある意味不幸なことでもあります。どん底の恐怖感なんてどこに体験ブースがあるでしょうか.. 便利で平和な世界にいられることはとても幸せなことですけれどね。。。

私自身あまり現代美術や作品への共感を今まであまり持てたことがなく、またこの赤い世界も、初めは何か狂気的なもので理解しがたいのかな…なんて思っていましたがこの展覧会の終盤ではこの世界感が全く違った印象に変わっていてとても温かくさえ感じたほどでした。

これを読んでもし興味をお持ちになった方は、是非ご自分の目で確かめに行かれて下さい。そこには、きっとあなたに訴えかける何かがあるはず、そして魂ってどこ?ってきっと聞かれるはずです!(完)

場所:六本木ヒルズ森タワー 53F 10月27日まで開催中



詳しくはこちら

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2019.09.24:BLOG

深い魂からのインナーパワー 塩田千春展を見て


本日は仕事帰りに何かに導かれたかのように森美術館の塩田千春さんの展覧会へ行って参りました。

塩田さんは、ベルリンを拠点に国際的に活動されているアーティストでいらっしゃるそうで、展覧会の題目「魂がふるえる」というキャッチと、そのバックに生える赤い世界感のチラシやポスターが大変印象的でいつか行きたいと思っていたエキシビジョンでした。

*ここからは内容になりますので、ネタバレ注意。

中に入ると圧倒的な赤い糸で作られた世界が広がっていてただただ目を見張りました。その糸たちは、数隻のボートから無数に伸びていて、天井にはすべてその赤い糸がびっしりと張り巡らされていました。後々インタビューにてこの船は手の模倣でヴェネツィアで得た発想だとのこと。手から始まる何か、を表現している、ヴェネツィアではその手の代わりに船だと着想を得たそうです。

彼女は、糸を主に使用する作品が代表作のようで、展覧会にはとくに赤と黒を基調とした作品が数々展示されていました。この 糸 ですが、塩田さんの作品で糸は様々なものへの繋がりを表されているようで、それは家族だったり、故郷だったり、または、もっとインナーサイドにある人との繋がり、自分の感情、魂とのつながり、死後の世界との繋がり..とのことでした。

作品を見ていて一貫して思ったのは、彼女がとても深いものを求める人なんだなということ、見ているものに人間の皮膚の下に眠る深い深い部分にぐいぐい問いかけ、何か感情を呼び覚ますパワーのある作品を生み出す人だということでした。 小手先のものではなく、何か人間の深いところを掘り起こし目を背けず見てみようよ、魂の声を聞こうよ、と問いかけられた感じがして展覧会の最後にはなんだかジーンときている自分がいました。また芸術に携わる者の苦労も感じ取れて、共感できるところもあり、どれもこれも大変興味を持って鑑賞致しました。

たしかに今現代において、人の深い部分に触れるのは本当に難しくなっているかもしれません。SNSなど浅く広く繋がる世界に身を置いている現代っ子の私たちには昔のように戦争や貧困など命の危機に晒されるような経験もなく、魂にゆさぶりをかけるものになかなか出会えていません。これはクリエイターやアーティストなど物を表現する分野において、ある意味不幸なことでもあります。どん底の恐怖感なんてどこに体験ブースがあるでしょうか.. 便利で平和な世界にいられることはとても幸せなことですけれどね。。。

私自身あまり現代美術や作品への共感を今まであまり持てたことがなく、またこの赤い世界も、初めは何か狂気的なもので理解しがたいのかな…なんて思っていましたがこの展覧会の終盤ではこの世界感が全く違った印象に変わっていてとても温かくさえ感じたほどでした。

これを読んでもし興味をお持ちになった方は、是非ご自分の目で確かめに行かれて下さい。そこには、きっとあなたに訴えかける何かがあるはず、そして魂ってどこ?ってきっと聞かれるはずです!(完)

場所:六本木ヒルズ森タワー 53F 10月27日まで開催中



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